第52巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
縦隔成熟嚢胞性奇形腫にカルチノイドを合併した1例
後藤 真輝1, 内山 美佳11小牧市民病院呼吸器外科
背景.縦隔成熟奇形腫にカルチノイドを合併することは稀である.症例.患者は38歳男性.健診にて胸部異常影を指摘され,当院を受診した.胸部造影CT検査では右前縦隔に3 cm大の石灰化を伴う辺縁明瞭,内部不均一な腫瘤を認めた.MRI検査でも同様に3 cm大の辺縁明瞭,内部不均一な腫瘤を認めた.以上より縦隔奇形腫を疑い胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査では成熟嚢胞性奇形腫を認め,その中の一部にカルチノイドの領域を認めたことからa carcinoid arising from a mature cystic teratomaと診断した.結論.縦隔成熟嚢胞性奇形腫にカルチノイドを合併した稀な1例を経験したので報告した.
索引用語:成熟嚢胞性奇形腫, カルチノイド, 縦隔腫瘍
受付日:2012年8月27日
受理日:2012年11月29日
肺癌 52 (7):1047─1051,2012