タイトル
第53巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

稀な発育形式を呈した小細胞肺癌の1切除例

安部 孝俊1, 松本 勲1, 小田 誠1, 笠原 寿郎2, 曽根 崇2, 渡邊 剛1
金沢大学 1心肺・総合外科, 2呼吸器内科

背景.小細胞肺癌は中枢型がほとんどで,発育が早く,多くは早期にリンパ節や他臓器に転移を認め,予後の悪い腫瘍である.症例.82歳,男性.喉頭癌に対し放射線化学療法を行った後,経過観察の胸部CTスキャンにて右肺中葉末梢に集簇する複数の小結節影(最大径0.5 cm)を認めた.炎症性変化を疑い経過観察とされたが,経過でそれぞれの結節が徐々に増大し,1年半後に全ての結節が癒合して2.4 cmの結節となった.このため悪性腫瘍を疑い,CTガイド下肺針生検を施行したところ,小細胞癌と診断された.頭部MRI,FDG-PET検査から臨床病期T1bN0M0,IA期と診断し,胸腔鏡補助下右肺中葉切除およびリンパ節郭清を施行した.病理病期T1aN0M0,IA期と診断された.結論.CT上,稀な発育形式を呈した小細胞肺癌切除例を経験したので,報告する.
索引用語:小細胞肺癌, 肺野末梢型肺癌, 腫瘍倍加時間

受付日:2012年10月24日
受理日:2013年3月28日

肺癌 53 (2):127─131,2013

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