タイトル
第53巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対するベバシズマブ併用化学療法の臨床的検討

二木 俊江1, 奥山 貴子1, 内田 純二1, 西野 和美1, 熊谷 融1, 今村 文生1
1大阪府立成人病センター呼吸器内科

背景.本邦の肺癌診療ガイドラインで,ベバシズマブ(BEV)は,扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌に対する1次治療として,プラチナベースの化学療法と併用が推奨され,奏効率の上昇と無増悪生存期間(PFS)の延長が認められている.方法.当院でBEV併用化学療法を施行した,扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌78例における安全性と有効性を,特に複数の治療ラインでBEV併用化学療法を施行した32例(マルチライン症例)に注目して検討した.BEVを初めて併用した化学療法を1st BEV,2回目に併用した化学療法を2nd BEV(以下同様)と命名した.結果.78例における1st BEVの奏効率は58%,PFSは178日,Grade 3(G3)以上の血液毒性は50%,非血液毒性が32%で,日常臨床でBEV併用化学療法の有効性と安全性が確認できた.マルチライン症例でのG3以上の有害事象は血液毒性が81%,非血液毒性が28%で,奏効率とPFSは,それぞれ1st BEVで50%,145日,2nd BEVで28%,99日であった.結論.BEV併用化学療法は2回目以降の使用においても,忍容性と一定の有効性が示唆された.
索引用語:非小細胞肺癌, ベバシズマブ, 併用化学療法

受付日:2013年4月14日
受理日:2013年5月27日

肺癌 53 (3):215─219,2013

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