タイトル
第53巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

限局型小細胞肺癌治療後に非小細胞肺癌が発生し治癒切除しえた3例

藤原 俊哉1, 西川 仁士1, 稲田 順也2, 金原 正志2, 小谷 一敏1, 松浦 求樹1
広島市立広島市民病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科

背景.小細胞肺癌治療後,二次癌の発生相対危険度は高い.症例1.63歳,男性.右中葉原発限局型小細胞肺癌(LD-SCLC)に対し同時併用放射線化学療法を行った.画像上CRとなり,予防的全脳照射を行った.5年後,再発は認めなかったが,対側肺にCT上充実性結節が出現した.左底区域切除を施行し,術後診断は扁平上皮癌,p-stage IAであった.症例2.81歳,男性.低分化肺癌の診断で右下葉切除施行.術後病理検査でLD-SCLCと診断.術後補助化学療法を施行した.15年後,他疾患通院中にCTで対側肺に多発する混合型スリガラス影を認めた.左上区域切除を施行し,術後診断は腺癌,p-stage IBであった.症例3.60歳,女性.前医で中間気管支幹原発LD-SCLCに対し,化学療法と逐次的胸部放射線照射を行った.画像上CRとなり,予防的全脳照射を行った.8年後,CTにて肺結節が出現,PETで同結節と気管分岐下リンパ節にFDG集積を認めた.右下葉切除を施行し,術後診断は腺癌,p-stage IIIAであった.全例無再発生存中である.結論.小細胞肺癌治療後,長期生存例に対して注意深い観察が必要であると考えられた.
索引用語:小細胞肺癌, 二次癌, 放射線治療, 化学療法

受付日:2013年6月5日
受理日:2013年8月14日

肺癌 53 (6):760─766,2013

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