タイトル
第54巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

EGFR遺伝子変異陽性肺癌のEGFR-TKI中止時の急激な病勢増悪の検討

山本 愛1, 磯部 和順1, 鏑木 教平1, 木下 ありさ1, 和田 知博1, 佐野 剛1, 坂本 晋1, 高井 雄二郎1, 澁谷 和俊2, 本間 栄1
東邦大学医療センター大森病院 1呼吸器内科, 2病理診断科

目的.EGFR-TKI中止後の急激な病勢増悪(disease flare)の実態を明らかにする.対象および方法.過去10年間に当科でEGFR-TKIで加療を行ったEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌61例中,EGFR-TKI中止後の経過を観察し得た45例を後ろ向きに検討した.Disease flareの定義は,EGFR-TKI中止後1ヶ月以内に死亡または次の治療が困難となる病勢の増悪と定義した.結果.Disease flareは45例中5例(11.1%)に認め,うちdisease flareで癌性髄膜炎を発症した1例のみ(20%)が死亡した.EGFR-TKI中止後からdisease flareまでの期間中央値は12日(5~29日)であった.Disease flare発症群と非発症群の全生存期間(OS)中央値はそれぞれ679日,952日であった.結語.Disease flareによる癌性髄膜炎発症には注意すべきである.今後の臨床試験の結果を待ち,disease flareを踏まえた治療戦略を確立する必要がある.
索引用語:非小細胞肺癌, 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異, EGFR-TKI, 急激な病勢増悪

受付日:2013年9月3日
受理日:2014年1月10日

肺癌 54 (1):1─5,2014

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