タイトル
第54巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

自施設で施行した肺癌ALK検査(IHCとFISH)の院外検査との比較検討

伊坂 哲哉1,2, 横瀬 智之1, 齋藤 春洋3, 村上 修司3, 近藤 哲郎3, 尾下 文浩3, 伊藤 宏之2, 山田 耕三3, 中山 治彦2, 益田 宗孝4
神奈川県立がんセンター 1病理診断科, 2呼吸器外科, 3呼吸器内科, 4横浜市立大学附属病院外科治療学

目的.進行ALK肺癌治療には正確かつ迅速なALK検査体制を要する.院内ALK検査導入に際し外部検査受託機関(院外)と院内のALK検査精度と判定期間を比較検討した.方法.2012/5~2013/5に院外ALK検査(IHC・FISH)を施行した43例に対し院内ALK検査を行った.院外IHCはEnVision FLEX+法,院内IHCはiAEP法を用い,陽性例に各施設でFISH(split assay法)を行った.結果.手術検体は20例,結果判定期間は院外IHC/FISH 6.2/12.3日,院内IHC/FISH 3.0/8.0日.院外・院内IHCの陽性/陰性一致率は100/86.5%,IHC不一致例(5例)は全て手術検体で院外陰性・院内陽性,うち1例はFISH陽性であった.一方FISHは全例一致した.結論.院内ALK検査は判定期間を短縮した.院内・院外の検査一致率は高いが,IHC不一致を認めた.理由としては施設間で使用する検出試薬が違うこと,院内ではiScore 1以上を陽性と判定したこと,施設間で同一手術標本の判定部位が異なる可能性などが考えられた.
索引用語:肺癌, ALK, FISH, IHC, iAEP法

受付日:2014年2月23日
受理日:2014年6月30日

肺癌 54 (4):173─179,2014

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