タイトル
第54巻第4号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (461K)
Article in Japanese

─ 原著 ─

非小細胞肺癌N1リンパ節転移の画像診断

中川 達雄1,2, 奥村 典仁1, 松岡 智章1, 亀山 耕太郎1
1倉敷中央病院呼吸器外科, 2天理よろづ相談所病院呼吸器外科

目的.CTおよびPET/CTによる肺癌術前N1診断について検討を行った.方法.リンパ節郭清を伴う肺葉切除を行った非小細胞肺癌109例を対象とし,郭清したN1リンパ節に相当する画像上のリンパ節の短径およびPETの最大標準摂取率(SUVmax)を測定した.結果.合計306箇所のN1リンパ節の評価を行った.CT診断では,短径のcutoff値を10 mmとすると,感度および特異度は,リンパ節単位で44.0%および93.4%,症例単位で42.9%および81.8%であった.PET/CT診断では,SUVmaxのcutoff値を2.5とすると,感度および特異度は,リンパ節単位で52.0%および87.5%,症例単位で52.4%および76.1%であった.PETで対称性集積を認めた症例は33例あり,これらを除いた76例での検討では,感度および特異度は,リンパ節単位で62.5%および85.0%,症例単位で56.3%および90.0%であった.結論.N1診断では,PET/CTはCTに比べ感度は良好であったが,特異度は劣っていた.PETで対称性集積を示す場合,診断は困難であることを念頭に置くべきである.
索引用語:肺癌, N1リンパ節転移, PET/CT

受付日:2014年4月16日
受理日:2014年7月5日

肺癌 54 (4):180─186,2014

ページの先頭へ