タイトル
第54巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

薄壁空洞を呈した大腸癌肺転移の1例

渡部 克也1, 安藤 耕平1, 植草 利公2, 益田 宗孝3
関東労災病院 1呼吸器外科, 2病理診断科, 3横浜市立大学外科治療学

背景.薄壁空洞性所見を呈するS状結腸癌肺転移の1例を経験した.症例.55歳女性.2008年9月,S状結腸癌(SE,N0,P1,Stage IV)に対しS状結腸切除術を施行後,化学療法(BV+mFOLFOX6)を7か月間行い経過観察中であった.術前の胸部CTで,左S6に直径8 mm大の薄壁空洞性病変を認めたが肺嚢胞と診断していた.しかし空洞性病変は徐々に増大傾向を示し,術後3年目には直径20 mmに増大するとともに空洞壁の肥厚も認めるようになった.胸腔鏡下肺部分切除術を施行したところ,S状結腸癌の転移と診断された.結語.増大傾向を示す薄壁空洞性病変は,慎重な経過観察とともに積極的な確定診断を試みる必要性があると考えられた.
索引用語:転移性肺腫瘍, 空洞, 大腸癌

受付日:2014年5月8日
受理日:2014年6月8日

肺癌 54 (4):187─190,2014

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