タイトル
第54巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

長期生存中の肺癌肉腫の1切除例

河本 宏昭1, 上野 剛1, 末久 弘1, 澤田 茂樹1, 山下 素弘1, 高畑 浩之2
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 1呼吸器外科, 2病理科

背景.肺癌肉腫は,癌腫と悪性の軟骨,骨,骨格筋のような異所性成分を含む肉腫との混在からなる,稀な悪性腫瘍である.症例.71歳,男性.夜間喘鳴で発症した.胸部CTにて右下葉に5.5 cm大の腫瘤影を認めたが,気管支鏡では確定診断に至らなかった.肺癌の疑いで右下葉切除および縦隔リンパ節郭清を行った.病理検査では軟骨,類骨を伴う肉腫様成分と扁平上皮癌,胎児型腺癌様の成分の混在する肺癌肉腫であった.術後は2年3ヵ月無再発生存中である.結論.癌肉腫は進行が早く予後も不良な疾患であるが,外科的完全切除後には長期生存例が少なからず存在する.肺癌肉腫に対する手術適応と化学療法については,さらなる検討が必要である.
索引用語:肺癌, 肺癌肉腫

受付日:2014年3月17日
受理日:2014年8月4日

肺癌 54 (6):795─799,2014

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