タイトル
第54巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

FDG-PETで異常集積像を呈した巨大富細胞性神経鞘腫の1例

豊田 行英1, 藤原 大樹1, 飯田 智彦1, 廣島 健三2, 澤田 達男3, 柴 光年1
1国保直営総合病院君津中央病院呼吸器外科, 2東京女子医科大学八千代医療センター病理診断科, 3東京女子医科大学第一病理学

背景.富細胞性神経鞘腫は,組織学的に細胞密度の高いAntoni Aの組織を主体とした腫瘍である.症例.65歳女性.主訴は腰痛.胸部CTで右肋骨横隔洞に局在する12 cm大の巨大腫瘤影を認めた.FDG-PETでFDG高度異常集積を認めたため悪性腫瘍を疑われ,腫瘍摘出術を施行された.腫瘍は表面平滑で被膜に包まれ,椎体と下行大動脈に強く固着していた.組織学的に,紡錐形細胞が密に増殖し,一部にfoamy macrophageの集簇を認めた.免疫染色はS-100蛋白陽性,Ki-67標識率は低値であり,富細胞性神経鞘腫と診断した.結論.肋骨横隔洞に発生した巨大富細胞性神経鞘腫の1例を報告した.細胞密度が高い本症例では,FDG-PETでの高度集積を認め,軟部腫瘍系の悪性腫瘍との鑑別を要した.
索引用語:富細胞性神経鞘腫, S-100蛋白, FDG-PET

受付日:2014年4月3日
受理日:2014年9月4日

肺癌 54 (6):812─816,2014

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