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第54巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第28回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

肺癌に対するロボット手術の現況と展望

中村 廣繁1, 谷口 雄司1, 三和 健1, 春木 朋広1
1鳥取大学医学部器官制御外科学講座胸部外科学分野

目的.手術支援ロボットの普及が進む中で呼吸器外科領域における有用性の検証が求められている.肺癌に対するロボット手術の現状と展望を紹介する.対象と方法.文献的報告と著者らのロボット手術の経験を解析して肺癌に対するロボット手術の有用性と問題点を検証する.結果.ロボット手術の最大の利点は,3次元視野下に関節を有する自由度の高い鉗子を用いて巧みな手術操作ができるところである.これらの利点は胸腔鏡手術の弱点を補い,複雑な手術を容易にし,精緻な手術を可能にしてくれる.肺癌に対するロボット手術は現在までのところ初期成績は安全に導入され,有用な結果が示されている.今後の技術向上とともに,さらなる安全性と有効性が期待される.結論.呼吸器外科領域でロボット手術の有用性を示すエビデンスはいまだに明らかにされていないが,肺癌に対するロボット手術は胸腔鏡手術の弱点を補い,今後有用性を示すデータが蓄積されていくだろう.現在先進医療,保険収載に向けての準備が急がれている.
索引用語:ロボット手術, ダ・ヴィンチ, 肺癌, 現状と展望

肺癌 54 (6):825─830,2014

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