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第54巻第6号目次 Japanese/English

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─ 第28回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

CTガイド下ラジオ波焼灼療法の早期肺癌の治療成績

金澤 右1, 平木 隆夫1
1岡山大学病院放射線科

目的.肺悪性腫瘍に対する経皮的CTガイド下ラジオ波焼灼療法は,2000年に開始された新たな局所治療である.本治療のI期非小細胞肺癌への有効性について検討する.また,本治療の原理,特殊性,適応,治療の実際などについて俯瞰的にまとめる.研究計画.我々の施設におけるI期非小細胞肺癌50例52腫瘍(IA 38例,IB 12例)について後方視的に検討し,同治療の世界的な成績についてもまとめた.結果.経過観察期間中央値は37か月であった.腫瘍の局所再発率は31%(16/52)であった.全生存率,疾患特異的生存率ならびに無疾患生存率は,各々1年で94%,100%ならびに82%,2年で86%,93%ならびに64%,3年で74%,80%ならびに53%であった.治療はすべて局所麻酔下で行われ,入院期間も短く,副作用も少ないため,優れた低侵襲治療といえるが,一方では2 cmを超える腫瘍では再発率が高いことが示されている.結論.現在までに十分なランダム化比較試験は報告されておらず,後ろ向きコーホート研究のデータを主体にその治療成績に言及せざるを得ない状況にあるが,ラジオ波焼灼療法が施行された多くの患者は,様々な理由で手術ができない背景を抱えており,そのような患者については手術の代替治療になり得る可能性があると思われる.
索引用語:ラジオ波焼灼療法, 肺癌, CT

肺癌 54 (6):848─853,2014

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