第54巻第6号目次 | Japanese/English |
Full Text of PDF (1899K) Article in Japanese |
─ 第28回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
早期肺癌の画像診断
久保 武11京都大学医学部附属病院放射線部
早期肺癌は,日本の取扱い規約上,中枢型扁平上皮癌に対して定義されているが,頻度の高い末梢型腺癌には定義されていない.野口らにより,小型肺癌の予後良好群として組織学的にlocalized bronchioloalveolar carcinomaを示すものがあり,特に活動性線維芽細胞増生のないものは極めて予後良好であることが示され,早期肺癌に相当するものと考えられる.これらは画像的に経時的変化の乏しい,すりガラス状結節あるいは部分的に充実性のすりガラス状結節で,subsolid nodule(SSN)と総称される.SSNはCTの普及により発見頻度が増えており,しばしば多発する.Fleischner Societyによる2013年のrecommendationはSSNを単発,多発に分け,各々に対し推奨される取扱いを提示している.SSN治療方針の信頼度の高いエビデンスは少ないが,Fleischner Societyが標準的方針を示したことは,日常臨床での意思決定に有用と考えられる.本稿ではSSNの画像所見と,SSNに対するFleischner Societyの推奨を中心に解説する.
索引用語:肺腫瘍, 早期癌, 腺癌, コンピュータ断層撮影
肺癌 54 (6):854─861,2014