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第54巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

ALK肺癌診断と治療における実地臨床上の問題点

里内 美弥子1
1兵庫県立がんセンター呼吸器内科

2007年にALK融合遺伝子が報告されてから,ALKチロシンキナーゼ阻害剤の開発がめざましいスピードで進み,2012年にはCrizotinib(ザーコリ®)が,2014年にはAlectinib(アレセンサ®)が承認された.ALK融合遺伝子の診断法にはFISH,免疫染色,RT-PCRがあるが,それぞれに長所,短所があることが知られており,またその不一致についても報告され,組織検体採取が困難な肺癌において確実な診断を全ての症例に行うのにどうしたらよいのかは,今後解決すべき大きな問題となっている.また,ALK阻害剤での耐性症例をどのように治療していくのか,Crizotinibと今後使用可能になるAlectinibなどの第2世代ALK阻害剤にどのような効果,毒性における違いがあって,どのように使い分けていくのかも今後臨床医が直面する大きな課題である.実臨床でどのように考え,どのようなアルゴリズムで診断していくのかという,診断における現状と課題,ALK阻害剤での耐性獲得時の対応など,ALK肺癌治療についての現状と課題について現時点での知見をもとに記載する.
索引用語:Anaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子, Crizotinib, Alectinib, 免疫染色(IHC), Fluorescent in situ hybridization(FISH)

肺癌 54 (7):879─886,2014

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