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第54巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
IV期非小細胞肺癌に対する治療戦略 維持療法
西尾 誠人11公益財団法人がん研究会有明病院呼吸器内科
目的．IV期非小細胞癌に対してプラチナ併用療法はいまも標準的治療であり，その後の維持療法がこの数年大規模な比較試験で有効性が示され，新たな治療戦略として注目されている．最近報告された臨床試験のうち，pemetrexed（PEM）のcontinuation maintenance療法に関する試験の結果をレビューし，現在の標準的な維持療法レジメンを検討する．方法．2012年から2013年に報告された維持療法の比較試験であるPARAMOUNT試験，AVAPERL試験，PointBreak試験，PRONOUNCE試験の結果をレビューした．結果．AVAPERL試験ではcisplatin-PEM+bevacizumab（Bev）療法にPEM維持療法の追加効果が検討され，updateされた導入療法開始時からの生存期間中央値（MST）は，PEM維持療法併用群において19.8カ月と良好な結果であったが有意差は示されなかった（HR 0.88，95％CI：0.64～1.22，p＝0.32）．PointBreak試験ではcarboplatin＋PEM＋Bev後のPEM＋Bev維持療法と標準的治療であるcarboplatin＋paclitaxel＋Bev療法が比較され，progression free survival（PFS）では，有意にcarboplatin＋PEM＋Bev群で良好であったが，primary endpointである生存には差がなかった．PRONOUNCE試験ではcarboplatin＋PEM後のPEM維持療法とcarboplatin＋paclitaxel＋Bev療法が比較されたが，primary endpointであるGrade 4の有害事象のないPFSでも有意差が示されず，全生存期間も差は認めなかった．結論．これらの試験結果は非扁平非小細胞癌に対する標準的レジメンはシスプラチンレジメンとしてはcisplatin-PEM後のPEM維持療法，カルボプラチンレジメンとしてはcarboplatin＋paclitaxel＋Bev後のBev維持療法であることを変えるものではなかった．
索引用語：維持療法, Continuation maintenance, 非小細胞肺癌（NSCLC）, Pemetrexed
肺癌 54 (7)：887─891，2014
