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第54巻第7号目次 Japanese/English

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─ 総説 ─

アレクチニブ(CH5424802/RO5424802)のALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌患者に対する第I/II相臨床試験の追跡データ(AF-001JP)

吉岡 弘鎮1, 西尾 誠人2, 木浦 勝行3, 瀬戸 貴司4, 中川 和彦5, 前門戸 任6, 井上 彰7, 樋田 豊明8, 田中 智宏9, 田村 友秀10
1公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科, 2公益財団法人がん研究会有明病院呼吸器内科, 3岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科, 4独立行政法人国立病院機構九州がんセンター呼吸器腫瘍科, 5近畿大学医学部附属病院腫瘍内科, 6地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター呼吸器内科, 7国立大学法人東北大学東北大学病院呼吸器内科, 8愛知県がんセンター中央病院呼吸器内科部, 9中外製薬株式会社臨床企画推進部, 10国立がん研究センター中央病院呼吸器内科

目的.新規骨格を有する高選択性ALK阻害剤であるアレクチニブについて,ALK融合遺伝子陽性の日本人非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する長期投与の有効性及び安全性を検討する.方法.ALK阻害剤未治療のALK融合遺伝子陽性NSCLC患者に対し,アレクチニブ(1回300 mg 1日2回経口)を病勢増悪まで反復投与し,第II相部分の最終症例の登録より1年経過(2013年4月18日)時点での有効性(独立評価委員会評価)及び安全性を評価した.結果.第II相部分(46例)の奏効率は93.5%(95%信頼区間(CI):82.1~98.6)であった.1年無増悪生存割合は83%(95%CI:68~92)であり,無増悪生存期間(中央値)は推定不能(未到達)であった.第I相部分でアレクチニブ(1回300 mg 1日2回経口)が投与された12例を含む58例中42例(72%)が投与継続中であった(投与期間中央値:15.8カ月).主な副作用は,味覚異常,皮疹,AST増加,血中ビリルビン増加で,ほとんどがGrade 1~2であった.結論.ALK阻害剤未治療のALK融合遺伝子陽性NSCLCに対して,アレクチニブの長期の有効性と良好な忍容性が確認された.
索引用語:アレクチニブ, 非小細胞肺癌(NSCLC), 未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)

肺癌 54 (7):892─897,2014

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