タイトル
第54巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

EGFR-TKIによるざ瘡様皮疹に対しアダパレンが有効であった2例

立原 素子1, 徳永 俊太郎1, 田村 大介1, 小林 和幸1, 船田 泰弘1, 西村 善博1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

背景.上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は,EGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するkey drugであるが,高率に皮疹を生じ,そのマネージメントに苦慮する場合がある.症例.症例1.47歳,男性.肺腺癌(cT4N3M1b,stage IV,EGFR exon 19 deletion陽性)に対し,二次治療としてエルロチニブを開始した.前胸部のざ瘡様皮疹に対し,ステロイド外用剤を使用したが増悪したため,アダパレン(0.1%)の塗布を開始した.1か月後には皮疹の改善がみられた.症例2.70歳,男性.肺腺癌(cT1aN1M1b,stage IV,EGFR L858R陽性)に対し,二次治療でゲフィチニブを開始した.背部にざ瘡様皮疹が出現し,ステロイド外用剤で一度改善したがその後増悪したため,アダパレン(0.1%)を塗布した.塗布17日目には皮疹の著明な改善を認めた.結論.ステロイド外用剤で改善しないEGFR-TKIによる皮疹に対し,アダパレンが有用である可能性が示唆された.アダパレンの適応と投与法について今後検討が必要である.
索引用語:アダパレン, EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI), ざ瘡様皮疹, 肺癌

受付日:2014年8月8日
受理日:2014年11月25日

肺癌 54 (7):978─982,2014

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