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第55巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
当院における悪性胸膜中皮腫27例の検討
菊池 創1, 朝比奈 肇1, 榊原 純1, 品川 尚文1, 大泉 聡史1, 樋田 泰浩2, 加賀 基知三2, 井上 哲也3, 加藤 徳雄3, 西村 正治1北海道大学病院 1内科I, 2循環器・呼吸器外科, 3放射線治療科
目的．当院における悪性胸膜中皮腫の臨床経過を明らかにする．対象と方法．2005年4月から2013年4月に当院で悪性胸膜中皮腫と診断した27例を後ろ向きに検討した．結果．年齢は35～76歳（中央値62歳），男性/女性：26/1例，上皮型/二相型/肉腫型：23/2/2例，原発巣の側性は右/左：14/13例，臨床病期（IMIG分類）IA/IB/II/III/IV：3/5/4/9/6例．初回治療の内訳は手術/化学療法/対症療法：15/11/1例，手術の内訳は胸膜肺全摘術/腫瘍切除：14/1例．胸膜肺全摘術14例中，術後補助化学療法のみが3例，術後片側全胸郭照射のみが5例，術後補助化学療法と術後放射線治療が2例に施行されていた．全症例の生存期間中央値は21.8ヶ月，胸膜肺全摘術施行例の生存期間中央値は30.7ヶ月．胸膜肺全摘術施行例において，術後放射線治療施行群は未施行群より有意に生存期間が長かった（放射線治療施行群：37.3ヶ月，未施行群：12.0ヶ月，p=0.04）．結論．胸膜肺全摘術後に放射線治療を施行した症例は未施行例に比べ生存期間が有意に長かった．
索引用語：悪性胸膜中皮腫, 胸膜肺全摘術, 補助療法, 片側全胸郭照射
受付日：2014年8月22日
受理日：2014年12月8日
肺癌 55 (1)：2─8，2015
