タイトル
第55巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺炎型肺腺癌に対して左肺全摘を行い症状改善を得た1例

古泉 貴久1, 篠原 博彦1, 青木 正1, 吉谷 克雄1, 才田 優2
新潟県立がんセンター新潟病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科

背景.肺炎型肺腺癌に対する手術治療は稀である.症例.69歳女性.咳嗽,喀痰を主訴に肺炎として治療を受けたが軽快せず,肺癌を疑われて当院を紹介受診した.症状発現から4か月後に肺炎型肺腺癌cT4N0M0 stage IIIAと診断された.咳嗽,喀痰の症状が著しく,PSが不良なことから抗がん剤治療は躊躇された.低肺機能であったが画像診断では病巣は左肺に限局していたので,左肺全摘を行った.術後経過は良好で咳嗽,喀痰は速やかに消失してPSは著しく改善した.手術後3か月で右肺内転移が出現したが,良好なPSが維持されており抗がん剤治療が行われた.まとめ.低肺機能,PS不良な肺炎型肺腺癌に対して左肺全摘を行い症状が消失した.早期に再発したもののPSが改善されており,抗がん剤治療が可能となった.
索引用語:肺炎型肺腺癌, 肺全摘除術

受付日:2014年9月24日
受理日:2015年1月8日

肺癌 55 (1):20─23,2015

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