タイトル
第55巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

crizotinibで重篤な肝機能障害を起こしたがalectinibは投与可能であったALK陽性の肺扁平上皮癌の1例

上浪 健1, 揚塩 文崇1, 松井 秀記1, 里見 明俊1, 米田 勉1, 森 雅秀1
1国立病院機構刀根山病院呼吸器腫瘍内科

背景.crizotinibはALK陽性肺癌に対する高い有効性が知られているが,合併症として重篤な肝機能障害が報告されている.症例.70歳の女性.ALK陽性の肺扁平上皮癌に対する1次治療としてcrizotinibを開始したが,1ヶ月後に重篤な肝機能障害を認め,投与を中止した.約3週後,crizotinibを半分量で再開し以後の投与を継続することができたが,9ヶ月後に病勢が増悪した.2次治療としてalectinibを投与したところ腫瘍は縮小し,肝機能障害も生じなかった.結論.crizotinibによる肝障害が生じても,休薬後に投与量の減量,あるいはalectinibへの変更により肝障害への対処ができる可能性がある.
索引用語:肺扁平上皮癌, ALK, クリゾチニブ, アレクチニブ, 肝機能障害

受付日:2014年12月11日
受理日:2015年2月5日

肺癌 55 (1):53─58,2015

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