タイトル
第55巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

クリゾチニブ耐性癌性髄膜炎に対してアレクチニブが奏効したALK遺伝子転座陽性非小細胞肺癌

小松 雅宙1, 立石 一成1, 加藤 あかね1, 小林 信光1, 花岡 正幸1, 四方 聖二2
1信州大学医学部内科学第一教室, 2相澤病院がん集学治療センター放射線治療部門

背景.癌性髄膜炎は非小細胞肺癌において重篤な合併症である.今回我々は,アレクチニブに変更後に改善が得られたクリゾチニブ耐性癌性髄膜炎を経験したため報告する.症例.47歳女性.ALK遺伝子転座陽性非小細胞肺癌に対しクリゾチニブが投与された.投与から7ヶ月,13ヶ月時に脳転移に対して放射線照射が行われ,クリゾチニブは継続された.投与から21ヶ月時に左眼視野障害・味覚障害・嘔気が出現し,癌性髄膜炎と診断された.アレクチニブに変更され自覚症状は速やかに改善した.経過で薬剤性肝障害のため減量となったが,6週間後のMRI・髄液所見に改善が得られた.結論.クリゾチニブ耐性癌性髄膜炎に対して,アレクチニブは有効な治療選択肢の1つであると考えられた.
索引用語:癌性髄膜炎, ALK遺伝子転座陽性非小細胞肺癌, アレクチニブ, クリゾチニブ

受付日:2015年3月14日
受理日:2015年6月24日

肺癌 55 (4):223─227,2015

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