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第55巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第29回肺がん集検セミナー ─

肺癌検診の動向―地域保健・健康増進事業報告を用いた分析―

中山 富雄1
1地方独立行政法人大阪府立成人病センターがん予防情報センター

目的と方法.平成23年度の地域保健・健康増進事業報告を用い,肺癌住民検診の成績を検証した.結果.7,188,178人が胸部X線検査を,264,772人が喀痰細胞診を受診し,前者では3,931人,後者では131人が“がん”として診断されていた.平成20年度に特定健診制度が開始されたことにより受診率が大幅に低下したが,男性は回復が認められたものの,女性は横ばいのままであった.市町村別のプロセス指標を比較するために,事業報告の調査票改定や日本肺癌学会からの要精検の定義の統一が平成20年度から図られたが,3年を経過しても,多くの市町村で対応できていないことが明らかになった.結論.検診の受診率のみに注目がなされているが,結果の把握など検診の成績が正しく評価できる仕組みを都道府県単位で整備することが期待される.
索引用語:肺癌検診, 精度管理

肺癌 55 (4):277─282,2015

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