第55巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌におけるEGFR-TKIとプラチナ療法の併用の治療戦略
大泉 聡史11北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
Epidermal growth factor receptor(EGFR)遺伝子変異陽性の進行期非小細胞肺癌において,初回EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療はいまや標準療法となった.ただしその予後はいまだ限られており,この集団における治療成績の向上のために新たな治療戦略を考えていくことがさらなる目標となる.初回治療からのEGFR-TKIとプラチナ療法の併用療法は有望な治療法と考えられ,北東日本研究機構(NEJグループ)では,NEJ005/TCOG0902試験(EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対するゲフィチニブとカルボプラチン/ペメトレキセドの同時併用療法と交代併用療法の第II相試験)およびNEJ009試験を遂行して,このコンセプトをこれまで検証してきている.本稿では著者らが発表してきたNEJ005/TCOG0902試験のデータを中心にして,この治療戦略について考察する.
索引用語:非小細胞肺癌, EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI), 化学療法, 併用, EGFR遺伝子変異
肺癌 55 (6):871─878,2015