第55巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
臨床医のための分子病理診断の基礎
谷田部 恭11愛知県がんセンター遺伝子病理診断部
遺伝子テストによる分子標的薬のための患者選択が日常的に行われるようになっている.その結果を正しく評価するためには分子病理学的な基礎を理解するとともに,それぞれで用いられる手技の長短所を正しく理解する必要がある.腫瘍を形作るがん関連遺伝子変化には,がん遺伝子,がん抑制遺伝子の2種類が存在する.現在,標的となる遺伝子変異のほとんどはがん遺伝子であり,それらの変化は遺伝子変異,遺伝子増幅,遺伝子再構成,タンパク過剰発現に大別される.本稿ではそれぞれの遺伝子変化について概説し,その検出方法・検体について説明を加えた.
索引用語:分子病理学, 遺伝子変異, 遺伝子増幅, 遺伝子再構成, タンパク過剰発現
肺癌 55 (6):986─990,2015