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第55巻第6号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

大泉 聡史
北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野

早いもので2015年度がもう少しで終わろうとしています.例年のようにこの一年これでよかったのかと振り返りつつ,また新年度を迎えそうです.今年の肺癌分野のキーワードは,やはり「免疫」ではないでしょうか.免疫チェックポイント阻害剤に加えて,来年度は第3世代EGFR-TKIも承認されて,内科的治療体系が大きく変遷しそうです.さて55巻6号は,1編の委員会報告,21編の総説,1編の原著論文,5編の症例報告,2編の第29回肺癌学会ワークショップ報告を掲載しています.合同委員会よりの報告では,喀痰細胞診の診断には経験が重要であり,教育や実施機関の集約化の必要性が解説されています.また総説は主に第55回肺癌学会学術集会のシンポジウムから採択されました.各分野の一線級の先生方にご執筆いただき,大変参考になるものとなっています.しかし最近の進歩は目覚ましく,学術集会から一年後の発刊ではデータや内容がすでに最新のものでなくなっている懸念が編集委員会で話し合われ,第56回学術集会の総説はより早く対応することになりました.原著論文ではワーファリン不応性静脈血栓塞栓症のヘパリンカルシウム治療について考察されており,また症例報告も日常臨床で大変参考になる充実した5症例の報告となっています.ワークショップ報告では希少肺腫瘍の画像診断が特集されており,ぜひお読みいただければと思います.最後に本年度もご投稿していただいた先生方,またご多忙な中をご査読いただいた先生方にあらためまして御礼申し上げます.新年度が肺癌学会会員の皆様にとって実りある一年になることを願いつつ,編集後記とさせていただきます.

肺癌 55 (6):1054─1054,2015

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