タイトル
第55巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法におけるアプレピタントの有用性の検討

杉山 智英1, 笠井 尚1, 神山 由香理1, 森 清志2
1栃木県立がんセンター呼吸器内科, 2坪井病院呼吸器内科

目的.カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法におけるアプレピタントの有用性を明らかにする.方法.カルボプラチン(AUC 6),ペメトレキセド(500 mg/m2)を1日目に投与し,3週毎に投与した.1コース目ではアプレピタントを投与せず,悪心がGrade 2以上であった14症例に対し,2コース目よりアプレピタントを追加併用し,制吐作用について検討した.結果.男性/女性:11/3例,年齢中央値62歳.PSは0/1:4/10例,全例腺癌であった.1コース目の悪心はGrade 2/3:12/2例,嘔吐はGrade 0/1/2:7/6/1例,食欲不振はGrade 1/2/3:6/6/2例ですべて遅発性であった.2コース目の悪心はGrade 0/1/2:8/2/4例,嘔吐はGrade 0/1:13/1例,食欲不振はGrade 0/1/2:7/3/4例と有意に改善した.悪心は11例(78.5%),嘔吐は13例(92.8%),食欲不振は8例(57.1%)でGradeの改善を認めた.結論.カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法でもアプレピタントの制吐作用が認められ,遅発期で有用であると考えられた.
索引用語:化学療法誘発性悪心・嘔吐, 制吐剤, アプレピタント, カルボプラチン, ペメトレキセド

受付日:2015年8月27日
受理日:2015年10月5日

肺癌 55 (7):1065─1069,2015

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