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第55巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
EGFR-TKIによる薬剤性間質性肺炎との鑑別を要した肺クリプトコッカス症の1例
清水 雄至1, 高瀬 亮太1, 原田 直之1, 上野 学1, 茂木 充1, 小川 晃2高崎総合医療センター 1呼吸器内科, 2病理診断科
背景．上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤（epidermal growth factor receptor-tyrosine kinase inhibitor，EGFR-TKI）投与の際には，間質性肺炎の出現に注意すべきである．症例．81歳，女性．EGFR点変異（L858R）を認めている肺腺癌に対しゲフィチニブを投与していたが，治療抵抗性が見られたため，アファチニブに変更した．変更前より右中下葉に淡いスリガラス陰影を認めていたが，薬剤変更後，陰影の悪化を認め，診断に難渋したため経気管支肺生検を施行．グロコット染色および血清クリプトコッカス抗原値より，肺クリプトコッカス症と診断した．結論．画像的に間質性肺炎と鑑別困難な場合，積極的に肺生検を施行し，確定診断の上，治療方針を決定すべきだと考えられた．
索引用語：肺クリプトコッカス症, 肺腺癌, 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤（EGFR-TKI）, 経気管支肺生検
受付日：2015年7月1日
受理日：2015年10月30日
肺癌 55 (7)：1104─1107，2015
