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第56巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
非小細胞肺癌脳転移症例に対してbevacizumabを投与した症例の検討
宮崎 和人1, 相子 直人1, 三角 祐生1, 上見 葉子1, 佐藤 亮1, 石井 真理2, 中村 有希子1, 下川 恒生1, 岡本 浩明1,2横浜市立市民病院 1呼吸器内科, 2腫瘍内科
背景．脳転移を有する非小細胞肺癌患者へのbevacizumab（BEV）の投与は本邦では原則禁忌であった．しかし，複数の後向き研究，前向き研究の解析でBEV投与の安全性が確認され，2012年6月に慎重投与に添付文書が改訂された．しかし，その患者選択基準は明確ではない．対象・方法．2012年6月～2015年7月の間に当院において非小細胞肺癌脳転移にBEVを含むレジメンで治療を行った8症例の検討を行った．結果．患者背景は男性/女性：4/4例，年齢中央値：57（47～64）歳，組織型は腺癌/大細胞神経内分泌癌：7/1例．治療レジメンはカルボプラチン＋パクリタキセル＋BEV/シスプラチン＋ペメトレキセド＋BEV/エルロチニブ＋BEV：6/1/1であった．いずれも明らかな脳転移症状はなく，BEV投与前は定位手術的照射/手術＋全脳照射/全脳照射/無治療：2/1/1/4例であった．脳転移に対する抗腫瘍効果はCR/PR/SD/PD：1/3/2/2例であり，脳出血例は認めなかった．結論．非小細胞肺癌脳転移症例へのBEV投与は安全に施行可能であり，脳出血例は認めなかった．
索引用語：脳転移, Bevacizumab, 非小細胞肺癌（NSCLC）, 脳出血, 化学療法
受付日：2015年12月21日
受理日：2016年2月17日
肺癌 56 (2)：84─89，2016
