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第56巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
悪性腫瘍随伴皮膚筋炎を伴った胸腺癌の1例
宮田 亮1, 大政 貢1, 大竹 洋介1, 石原 美佐2, 藤本 遼1, 青木 稔1西神戸医療センター 1呼吸器外科, 2病理診断科
背景．胸腺癌は悪性腫瘍関連皮膚筋炎の原因となり得る．症例．73歳，女性．皮膚筋炎を急速に発症し，ステロイド治療を開始された．症状が安定しないため悪性腫瘍合併を疑った．精査時に胸部CTにて前縦隔に長径42 mmの分葉状の結節および縦隔，鎖骨上窩リンパ節腫大を指摘された．診断と治療を兼ねた胸骨正中切開前縦隔腫瘍切除術，拡大胸腺摘出術，心膜・縦隔胸膜・左腕頭静脈合併切除術，リンパ節郭清術が行われた．病理組織検査ではリンパ節転移を伴う胸腺原発扁平上皮癌（pT1aN2M0，stage IVb）と診断された．皮膚筋炎症状は術後速やかに改善したが，術後4か月後に肝転移再発を認め，以後皮膚症状が再増悪した．結語．本症例の皮膚筋炎は，突然の発症，切除後の改善，再発時の再増悪のため，胸腺癌に随伴する病態と考えた．
索引用語：胸腺癌, 皮膚筋炎, 腫瘍随伴症候群
受付日：2015年12月1日
受理日：2016年2月29日
肺癌 56 (3)：189─193，2016
