タイトル
第56巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

急速な病状悪化を示したG-CSF産生肺癌の2例

小松 あきな1, 山中 友美絵2, 宮川 英恵3, 市川 晶博4, 數寄 泰介1, 児島 章1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター呼吸器内科, 2神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科, 3東京慈恵会医科大学第三病院呼吸器内科, 4東京慈恵会医科大学柏病院呼吸器内科

背景.G-CSF産生肺癌は予後不良であることが知られている.症例.症例1は68歳,男性.血痰と右肩痛で受診し,精査の結果非小細胞肺癌cT3N0M1b(OSS)stage IVと診断し,全身化学療法を行うも奏効せず,3か月で永眠した.症例2は64歳,男性.健診胸部異常陰影で受診,EGFR遺伝子変異陰性の低分化肺腺癌cT3N0M0 stage IIBと診断し,腫瘍切除後に化学療法を行うも7か月で永眠した.いずれも白血球増多,血清G-CSF高値,免疫組織学的G-CSF陽性を認めた.結論.G-CSF産生肺癌は腫瘍の浸潤と増大が速く臨床上留意すべきであり,さらなる臨床症例の集積および基礎研究の発展による治療法確立が望まれる.
索引用語:顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF), 肺癌, 白血球増多症, 予後

受付日:2016年1月11日
受理日:2016年3月25日

肺癌 56 (3):227─231,2016

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