タイトル
第56巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

超音波内視鏡下穿刺吸引にて同時に孤立性膵転移と診断された肺扁平上皮癌の1例

磯野 泰輔1, 岡崎 彰仁1, 湯浅 瑞希1, 卯尾 真由加1, 西辻 雅1, 西 耕一1
1石川県立中央病院呼吸器内科

背景.肺癌の初回診断時に孤立性膵転移が確認されることは稀である.症例.38歳男性.上背部痛の精査目的に施行した胸椎MRI検査で,第3胸椎浸潤を伴う腫瘤を認め,CTガイド下針生検を行うと扁平上皮癌が検出され,肺扁平上皮癌と診断した.FDG-PET検査では肺病変に加え膵尾部に異常集積を認め,腹部造影CT検査で膵尾部に辺縁が造影される26×24 mm大の腫瘤を認めた.膵腫瘤に対し超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行すると,免疫染色で肺と同一の扁平上皮癌を認めたため,膵転移と診断した.結語.肺癌患者に孤立性膵腫瘍を認めた場合,膵転移と原発性膵癌の鑑別にEUS-FNAを行うことは有用と考えられた.
索引用語:扁平上皮癌, 肺癌, 膵転移, 超音波内視鏡下穿刺吸引

受付日:2016年4月2日
受理日:2016年6月1日

肺癌 56 (4):314─318,2016

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