タイトル
第56巻第5号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌のre-biopsyの現状と課題

津谷 あす香1, 柴田 裕美1, 勝島 詩恵1, 秋吉 宏平1, 徳永 伸也1, 駄賀 晴子1, 住谷 充弘2, 少路 誠一2, 武田 晃司1
大阪市立総合医療センター 1腫瘍内科, 2呼吸器内科

目的・方法.2013年1月~2015年3月までにre-biopsy(胸水を含む)を行った上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性肺癌患者25例について,T790Mの出現頻度を含むEGFR遺伝子変異の変化について検討を行った.結果.男性/女性:7/18例,初回化学療法時の年齢中央値67歳(33~77歳),EGFR遺伝子変異:exon19 del/L858R/L858R+T790M/T751-I759 del ins N:12/11/1/1例,初回治療はGefitinib 18例,re-biopsyのタイミングは12例が2次治療前に行われていた.診断時の生検部位は,肺原発巣/胸膜播種/骨/胸水:21/1/2/1例,re-biopsy時は原発巣/胸水/リンパ節:9/15/1例であった.Re-biopsy時のEGFR遺伝子変異はT790M出現を10例(40%)に認めたが,気管支鏡下の生検において遺伝子変異の検査法や提出検体により結果が解離していたものを4例認めた.結論.耐性遺伝子の有無は次治療の選択に影響を与えるが,組織生検での検索には限界もあり,液状検体など細胞診検体の利用も検討すべきである.
索引用語:Re-biopsy, T790M, EGFR-TKI, コンパニオン診断薬

受付日:2016年2月23日
受理日:2016年6月18日

肺癌 56 (5):331─336,2016

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