タイトル
第56巻第5号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ニボルマブの初回投与後早期に薬剤性肺障害を発症した肺腺癌の1例

細野 裕貴1, 矢野 幸洋1, 石島 見佳子1, 上浪 健1, 赤澤 結貴1, 森 雅秀1
1国立病院機構刀根山病院呼吸器腫瘍内科

背景.ニボルマブは,非小細胞肺癌に対する2次治療の有効性が認められ適応拡大されたが,合併症の1つとして薬剤性肺障害が報告されている.症例.49歳の男性.肺腺癌に対する7次治療としてニボルマブを開始したが,初回投与8日目に発熱,低酸素血症,胸部CT上すりガラス陰影が出現し,薬剤性肺障害を強く疑った.副腎皮質ステロイドの全身投与により薬剤性肺障害は改善した.また,2か月後でも腫瘍増大の抑制効果を確認した.結論.ニボルマブの単回投与後早期にも薬剤性肺障害が発症しうる.また,ニボルマブ1回のみの投与でも腫瘍増大を抑制できる可能性がある.
索引用語:肺癌, 免疫チェックポイント阻害剤, 肺臓炎, 副腎皮質ステロイド

受付日:2016年6月13日
受理日:2016年7月24日

肺癌 56 (5):390─396,2016

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