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第57巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

EGFR-TKIの歴史と新たな展開

須田 健一1,2, 光冨 徹哉1
1近畿大学医学部外科学講座呼吸器外科部門, 2コロラド大学アンシュッツ医学キャンパス

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異を有する肺癌は,本邦を含む東アジア人で頻度が高い.ここ数年,肺癌領域でも癌免疫治療の発展とその臨床応用が大きな注目を集めているが,EGFR変異肺癌には現在の癌免疫治療薬はあまり有効ではないとされている.したがって,EGFR変異肺癌に対してはこれまで同様,EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKIs)を主軸とした治療戦略の構築が重要である.2005年のT790M二次変異の報告以降,T790M変異を克服し得るEGFR-TKIsも数多く開発されており(オシメルチニブは本邦でも既に承認済み),T790M以外のEGFR-TKI耐性機序も数多く報告されている.本稿ではEGFR-TKI開発の歴史について振り返りつつ,新規EGFR-TKIsの基礎・臨床データについて詳述する.また,EGFR-TKIと他薬剤の併用療法の可能性についても,基礎・臨床データをもとに概説する.
索引用語:分子標的治療, 精密医療, EGFR遺伝子変異, 獲得耐性, 併用療法

肺癌 57 (2):69─74,2017

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