タイトル
第57巻第2号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

5年以上生存したIV期非小細胞肺癌症例の検討

松崎 達1, 池村 辰之介1, 中鉢 正太郎1, 中山 真吾1, 岩見 枝里1, 佐藤 美奈子1, 中島 隆裕1, 江口 圭介2, 寺嶋 毅1
東京歯科大学市川総合病院 1呼吸器内科, 2外科

目的.5年以上生存したIV期NSCLC症例の臨床背景を調査し,長期生存に寄与する予後因子を検討する.方法.2002年10月1日から2010年9月30日までの期間で,東京歯科大学市川総合病院で診断されたIV期NSCLC 66例を後方視的に調査した.結果.5年以上の長期生存者(long-term survivor;LTS)は8例存在した.全生存期間が5年未満であった(non-LTS)58例と比較して,EGFR遺伝子変異陽性,N0及びN1,遠隔転移臓器が1つである症例が多かった.IV期NSCLC 66例を多変量解析したところ,75歳未満,N0及びN1,肝転移がないことは長期生存に寄与する独立した予後因子であった.LTS群はnon-LTS群と比較して,EGFR-TKIを使用した症例が多く,殺細胞性抗癌剤とEGFR-TKIの病勢制御率はともに高く,無増悪生存期間はともに長かった.結論.IV期NSCLCであっても,75歳未満の症例,N0及びN1症例,肝転移のない症例であれば,長期予後の可能性があり,積極的な治療を検討する際の参考になると考えられた.
索引用語:長期生存者, 非小細胞肺癌, IV期

受付日:2016年9月14日
受理日:2017年1月11日

肺癌 57 (2):88─95,2017

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