タイトル
第57巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌化学放射線療法に伴う放射線食道炎に対するポラプレジンクの後方視的検討

山東 真寿美1, 金銅 葉子4, 碓氷 尚子1, 植田 有希1, 岩田 香2, 良田 紀子2, 田宮 基裕5, 鈴木 秀和3, 岡本 紀雄3, 平島 智徳3
大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター 1薬局, 2看護部, 3肺腫瘍内科, 大阪府立成人病センター 4薬局, 5呼吸器内科

目的.化学放射線療法(CRT)に伴う有害事象に,放射線粘膜炎や食道炎がある.頭頚部癌では,これらに対してポラプレジンクの有用性が報告されている.そこで胸部悪性腫瘍患者を対象に,ポラプレジンクの予防効果を検討した.方法.CRTを受けた50例を対象とした.ポラプレジンクをアルギン酸ナトリウム(AL)液に溶解し使用した(AL+Zn)群とAL液のみを使用した(AL)群を,visual analogue scale(VAS)を用いて比較した.結果.疼痛が「なし・軽度:VAS<30 mm」はAL+Zn群/AL群=88%/83%(P=0.315),「中等度:30 mm≤VAS<54 mm」は11%/4%(P=0.060)であった.しかし,「高度:VAS≥54 mm」は1%/13%と有意差が認められた(P=0.00088).食道炎≤Grade 2は67%/84%(P=0.196)と有意差はなかった.Grade 3はAL+Zn群で認められなかったが,AL群で1例認められた.結論.ポラプレジンクは胸部悪性腫瘍におけるCRTに伴う食道炎に対して,高度な疼痛を伴う食道炎の予防は可能であったが,全般的な予防効果は得られなかった.
索引用語:化学放射線療法, 放射線食道炎, ポラプレジンク, 予防

受付日:2016年9月23日
受理日:2017年1月17日

肺癌 57 (2):96─101,2017

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