タイトル
第57巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

非喫煙者かつEGFR遺伝子変異陽性肺多形癌に対しニボルマブで病勢制御を得た1例

齊藤 尚美1, 大道 和佳子1, 石山 さやか1, 出口 奈穂子1, 谷脇 雅也1, 山崎 正弘1
1広島赤十字・原爆病院呼吸器科

背景.肺多形癌は化学療法に対して治療抵抗性であり予後不良な癌腫である.しかし近年,肺多形癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性が報告されている.症例.61歳,非喫煙女性.血痰を主訴に来院した.精査の結果,肺原発多形癌(cT2N2M0 stage IIIA)と診断した.また,EGFR遺伝子変異検査でexon21 L858Rを検出した.切除不能症例のため化学放射線治療を行ったが,3年3ヶ月後に再発しゲフィチニブならびにペメトレキシド(PEM)との併用療法を約5年間行った.再増悪後,4次治療としてニボルマブ療法を開始したところ良好な病勢制御効果を示し,合計12サイクルを施行した.結論.非喫煙者ならびにEGFR遺伝子変異陽性の肺多形癌に対し,免疫チェックポイント阻害薬を投与し良好な病勢制御を得た症例を経験した.今後,肺多形癌に対するニボルマブ療法の有効性を確認するため,さらなる症例集積が必要である.
索引用語:肺多形癌, EGFR遺伝子変異, 免疫チェックポイント阻害薬, ニボルマブ

受付日:2017年2月1日
受理日:2017年4月7日

肺癌 57 (3):216─220,2017

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