タイトル
第58巻第1号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (366K)
Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌術前患者に対する外来からの多職種サポートの効果

片岡 正文1, 奧谷 大介1, 奥谷 珠美2, 小泉 匡司3, 平松 登志枝3, 茅原 路代3, 仁熊 健文1, 川井 治之4, 渡辺 一彦4, 馬場 三和5
岡山済生会総合病院 1外科, 2リハビリテーション科, 3看護部, 4内科, 5麻酔科

目的.肺癌術前患者に対する外来からの多職種サポートの効果を検討した.方法.当院では2013年より術前リハビリテーション外来での呼吸訓練指導を開始した.2014年より麻酔科,栄養科,薬剤科の介入,歯科紹介,看護外来を行う術前サポート外来を開始した.介入を行わなかった症例,リハビリテーションのみ介入を行った症例,術前多職種サポートを行った症例の3群を比較検討した.結果.術後在院日数に影響している項目を検討する目的で,単変量解析,多変量解析を行ったところ,年齢,出血量,発熱日数,術後歩行開始日,術前多職種サポートが最終的に有意変数として残り,術前多職種サポートが最も有意な因子であった(p=0.000377).1患者,1入院全期間の包括総収入はサポートを増やすに従い減少し,有意差を認めた.1日あたりの包括総収入(診療単価)はサポートの増加に従い,有意に増加した.術後の患者アンケートでは自己解決型コーピングが誘導され,納得の結果が得られたことを表す回答が多かった.結論.肺癌術前,外来からの他職種サポートにより,入院期間が短縮し医療コストが削減された.
索引用語:多職種サポート, 術前, 肺癌, 看護外来, 呼吸リハビリテーション

受付日:2017年2月22日
受理日:2017年11月15日

肺癌 58 (1):8─13,2018

ページの先頭へ