タイトル
第58巻第1号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

KL-6値と放射線性肺臓炎発症の危険性との関係に関する解析

猪又 峰彦1, 岡澤 成祐1, 神原 健太1, 今西 信悟1, 山田 徹1, 三輪 敏郎1, 山岸 健太郎2, 野村 邦紀2, 林 龍二3, 戸邉 一之1
富山大学附属病院 1第一内科, 2放射線治療科, 3臨床腫瘍部

背景.局所進行肺癌に対する放射線治療の合併症として放射線性肺臓炎が挙がる.我々はKL-6値と放射線性肺臓炎発症割合との関係を解析することを目的として後ろ向き観察研究を行った.方法.2004年から2015年の間に定位照射を除く胸部放射線治療を受けた肺癌症例を対象とした.X線ならびにCT所見から既存の線維化病変を評価し,血清KL-6値500 U/mlをカットオフ値とし2群に分類した.結果.69例を解析した.単変量解析において線維化を伴わない症例ではKL-6上昇群と非上昇群との間で放射線性肺臓炎発症割合に差は認められなかったが,線維化を伴う症例ではKL-6上昇群において放射線性肺臓炎の発症割合が高い結果が得られた(P = 0.029,Fisherの正確検定).線維化の有無,V20,KL-6を独立変数とした多変量解析では,KL-6の100 U/ml上昇による放射線性肺臓炎発症に対するオッズ比(95%信頼区間)は1.0(0.7~1.2)であった.結語.肺の線維化を有する症例においてKL-6が放射線性肺臓炎発症に関係している可能性が示唆された.
索引用語:肺癌, 放射線性肺臓炎, KL-6

受付日:2017年5月23日
受理日:2017年11月30日

肺癌 58 (1):19─23,2018

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