タイトル
第58巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺原発多形癌切除例の検討

松井 優紀1, 坂巻 靖1, 寛島 隆史1, 田中 諒1, 小牟田 清2, 辻本 正彦3, 安岡 弘直3
大阪警察病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科, 3病理診断科

背景.肺原発多形癌は予後不良とされる稀な肺癌である.当科で手術した肺原発多形癌症例について,その臨床像と組織学的特徴を検討した.対象と方法.2005年1月から2015年12月までに当科で手術を施行し,肺原発多形癌と診断された14例.結果.男性12例,女性2例で平均年齢69.5歳.術式は区域切除1例,葉切除13例であった.病理病期はI期4例,II期6例,III期以上4例であった.8例に再発を認め,全例原病死で失った.治療成績は5年生存率が21%と,予後は不良であった.また,分子学的療法のコンパニオン診断について,12例にprogrammed cell-death ligand 1(PD-L1)の発現を認め,うち5例が高発現であった.肺多形癌の詳細解明に今後も症例の蓄積が望まれる.
索引用語:多形癌, 肺癌, 治療成績, 外科的切除, PD-L1

受付日:2017年8月18日
受理日:2017年12月15日

肺癌 58 (1):24─28,2018

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