第58巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
サルコイドーシス/サルコイド反応合併肺癌の病期決定におけるEBUS-TBNAの有用性
市川 紘将1, 渡部 聡1, 近藤 利恵1, 庄子 聡1, 青木 信将1, 大嶋 康義1, 坂上 拓郎1, 茂呂 寛1, 小屋 俊之1, 菊地 利明11新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
目的.サルコイドーシスやサルコイド反応は肺門・縦隔リンパ節腫大を呈し,これらを合併した肺癌症例には,リンパ節病変の評価が治療方針決定上で問題となる.本研究では,これらサルコイド反応合併肺癌症例の病期診断におけるEBUS-TBNAの有用性を検討した.対象と方法.2009年1月から2016年12月に気管支鏡検査を実施され,サルコイドーシス/サルコイド反応と肺癌の合併と診断された症例におけるEBUS-TBNAの有効性について検討した.結果.EBUS-TBNAにより,サルコイドーシス/サルコイド反応と肺癌との合併と診断された症例は4例であった.造影CT,FDG-PET/CTでは癌のリンパ節転移とサルコイドーシス/サルコイド反応の鑑別は困難であった.4例中3例はI期の非小細胞肺癌と診断され,2例は手術が施行された.術後検体でも転移はなく,granulomaが認められたことから,サルコイド反応と診断された.4例中1例は全身性サルコイドーシスに合併したIII期の肺癌症例であった.結論.サルコイドーシス/サルコイド反応合併肺癌症例におけるN因子の評価に,EBUS-TBNAは有用であると考えられる.
索引用語:サルコイドーシス, サルコイド反応, 肺癌, EBUS-TBNA
受付日:2017年8月25日
受理日:2018年1月22日
肺癌 58 (2):88─92,2018