タイトル
第58巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

ペメトレキセドとプラチナ併用化学療法後の長期のペメトレキセド維持療法が有効であった肺腺様嚢胞癌の1例

鳳山 絢乃1, 菅 理晴1, 康 あんよん1, 中村 保清1, 渡邉 千尋2, 北 英夫1
高槻赤十字病院 1呼吸器センター, 2病理診断科

背景.肺腺様嚢胞癌の有効な化学療法は確立されておらず,ペメトレキセドが長期間有効であった治療報告は現在まで認められていない.症例.症例は70歳女性.半年以上持続する咳嗽を主訴に当院を紹介受診,右肺全摘術を行い,肺腺様嚢胞癌と診断した.術後22カ月で再発し,シスプラチンとペメトレキセド併用化学療法を4コース行った後,ペメトレキセド単剤維持療法を3コース投与した.再発病変は著明に縮小し,本人の希望で休薬し経過をみていたが,休薬後18カ月で再発を認め,シスプラチンとペメトレキセド併用療法を再開した.1コース目で食思不振を認め,2コース目からはカルボプラチンとペメトレキセド併用化学療法に変更し3コース投与した.その後ペメトレキセド単剤維持療法を継続し,36カ月経過した現在も増悪を認めずに治療を継続している.結論.肺腺様嚢胞癌において,ペメトレキセドとプラチナ併用化学療法後のペメトレキセド維持療法が治療の選択肢の1つとなる可能性が示唆された.
索引用語:肺腺様嚢胞癌, 術後再発, 化学療法, ペメトレキセド, 維持療法

受付日:2017年10月10日
受理日:2018年1月22日

肺癌 58 (2):111─115,2018

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