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第58巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
肺非結核性抗酸菌症を合併した異時性多発肺癌の1手術例
鈴木 仁之1, 庄村 心1, 澤田 康裕1, 井上 健太郎1, 島本 亮2, 近藤 智昭11三重県立総合医療センター呼吸器外科, 2三重大学大学院医学系研究科胸部心臓血管外科
背景．肺非結核性抗酸菌症（NTM）と肺癌はいずれも近年増加傾向にあり，両者の合併例も経験するようになった．今回我々は，NTMを合併した異時性多発肺癌の1手術例を経験したので，報告する．症例．72歳，女性．70歳時NTM合併肺腺癌に対して，右上葉切除＋リンパ節郭清を施行した．2年後に咳嗽で来院したところ，NTM病変の悪化を認めたため，多剤化学療法を開始した．しかし3ヶ所の病変はさらに増大したため，左S6区域切除を施行したところ，3ヶ所とも上皮内腺癌であった．結論．治療にかかわらずNTMの病変の悪化がみられた場合には，肺癌の合併を考慮して，積極的な治療を考慮する必要がある．
索引用語：肺非結核性抗酸菌症, 異時性肺癌, 多発肺癌, 合併
受付日：2018年1月10日
受理日：2018年2月21日
肺癌 58 (3)：201─205，2018
