タイトル
第58巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

小細胞肺癌の治療経過中に甲状腺転移を認めた1例

高野 峻一1, 田口 浩平1, 内田 恵1, 池田 香菜1, 中川 純一1, 須賀 達夫2
1公立藤岡総合病院呼吸器内科, 2医療法人康曜会プラーナクリニック呼吸器内科

背景.小細胞肺癌は全身に転移すると知られているが,甲状腺転移は比較的珍しい.症例.66歳男性.X年10月,右上葉原発小細胞肺癌および上大静脈症候群(cT4N3M0,LD)に対し,全身化学療法と同側肺門から縦隔への照射を行いPRとなった.X+1年3月,右鎖骨上窩リンパ節の再増大を認め,局所照射と全身化学療法を施行しCRとなった.X+2年3月,後頭葉の単発転移を生じサイバーナイフで治療した.X+2年9月に甲状腺右葉に径1 cmの結節が出現,他部位に再発を認めず,甲状腺右葉切除を行い小細胞肺癌の甲状腺転移と確定した.小細胞肺癌診断後3年経過したが,明らかな小細胞肺癌の再発はみられない.結語.悪性腫瘍の甲状腺転移を生存中に診断した報告は少なく,貴重な症例と考えられた.
索引用語:小細胞肺癌, 甲状腺転移

受付日:2017年11月21日
受理日:2018年3月7日

肺癌 58 (3):216─220,2018

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