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第58巻第3号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

鈴木 弘行
福島県立医科大学 医学部 呼吸器外科学講座

年が明けたかと思えば,あっという間に今年も折返しの時期に差し掛かろうとしております.学会シーズンも真っ盛りで,会員の皆様におかれましては大変お忙しい日々をお過ごしのことと思います.今年のASCOではPlenary Sessionで免疫チェックポイント阻害薬の新しいデータが発表されるなど,大変エキサイティングな知見が数多く報告されました.日本から発信されたエビデンスも多数あり注目を集めました.このように肺癌領域の治療と研究の進歩はさらに目覚ましいものとなっております.さて,肺癌58巻第3号では外科手術の進歩およびPD-L1の病理検査に関する大変有意義なreview article 3編に加え,short Reportが2編,さらに示唆に富む症例報告が8編と非常に充実した内容となっております.昨今の状況を見ますと,基礎研究が臨床に還元されるまでの期間が短縮される傾向があり,基礎研究や臨床研究の重要性は益々高まっていることは言うまでもありません.その一方で症例報告を掲載する雑誌が少なくなる傾向が続いていることもご存知のところです.そのような中でも,本誌ではご覧のとおり症例報告を数多く掲載していることが大きな特徴となっております.貴重な症例を丹念に精査し後世に残す作業は臨床医にとっては基礎研究に勝るとも劣らない大変重要な仕事であると考えます.今後も先生方の経験された貴重な症例をぜひとも本誌にお寄せいただき,日々の臨床にお役に立てて頂きたいと考えます.西日本から関東ではすでに梅雨に入ったとの知らせもあり,当地福島はすでに真夏の様相です.一年の中でも体調を崩しやすい季節になりました.その一方で二十四節気による季節は芒種(ぼうしゅ:種を蒔く季節であるとともに多くの命が息吹く季節),将来へ向けての何か新しい試みを行う(種を蒔く)季節とも言えます.会員の皆様にはご自愛いただき,益々のご活躍を祈念いたします.

肺癌 58 (3):241─241,2018

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