タイトル
第58巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

希少頻度のドライバー遺伝子陽性肺癌の大規模スクリーニングと治療開発

松本 慎吾1
1国立がん研究センター東病院呼吸器内科

ドライバー遺伝子を標的とする肺癌薬物治療は劇的な効果をもたらすことが明らかにされたが,その遺伝子異常の多くは極めて希少であり,治療開発のためには大規模な遺伝子スクリーニングが必要である.我が国では,2013年に,全国規模の肺癌遺伝子スクリーニングネットワーク(Lung Cancer Genomic Screening Project for Individualized Medicine in Japan:LC-SCRUM-Japan)が構築され,これまでに6000例を超える大規模スクリーニングによって希少なドライバー遺伝子陽性肺癌の治療開発につなげてきた.今後も,この全国ネットワークを通じて,分子標的薬開発の推進,治療薬耐性の克服,免疫チェックポイント阻害薬の真のバイオマーカー同定など,肺癌precision medicineのさらなる確立が期待される.
索引用語:肺癌, ドライバー遺伝子, 遺伝子スクリーニング, LC-SCRUM-Japan

肺癌 58 (4):252─257,2018

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