タイトル
第58巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺炎像を伴った気管支原発顆粒細胞腫の1例

氷室 直哉1, 鈴木 隆1, 南方 孝夫1, 大島 穣1, 田澤 咲子2, 門倉 光隆1
昭和大学 1外科学講座呼吸器外科学部門, 2臨床病理診断学講座

背景.極めて稀である,肺炎像を伴う気管支原発の顆粒細胞腫を経験したので報告する.症例.40歳男性.健康診断で胸部異常陰影を指摘された.胸部CTでは右肺S6に境界不明瞭な最大径31 mmの腫瘍を認め,その周囲にはconsolidationを伴っていた.気管支鏡検査を施行したが診断は得られず,診断・治療目的に胸腔鏡補助下右肺下葉切除術を施行した.病理組織検査では腫瘍細胞は類円形・卵円形に増殖し,好酸性で顆粒状の豊富な細胞質を有していた.免疫染色ではS-100蛋白が陽性で,顆粒細胞腫と診断した.結論.顆粒細胞腫は一般的に良性腫瘍とされているが,一部には悪性のものや再発の報告もあり,術式も含めた治療方針の決定は慎重に行うべきである.
索引用語:顆粒細胞腫, 良性腫瘍, 肺葉切除, 肺炎

受付日:2018年3月20日
受理日:2018年4月13日

肺癌 58 (4):271─274,2018

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