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第58巻第5号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

肺扁平上皮癌の治療の現状と展望

妹尾 賢1, 二宮 貴一朗1, 堀田 勝幸2,3, 木浦 勝行3
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科血液・腫瘍・呼吸器内科学, 岡山大学病院 2新医療研究開発センター, 3呼吸器・アレルギー内科

 肺扁平上皮癌は,発生機序に喫煙との関連が強い癌腫であり,肺癌全体の約20~30%を占めている.肺扁平上皮癌に対する細胞障害性抗癌剤を用いた治療開発の多くは限定的であった.しかし2010年代に入り,ネダプラチン+ドセタキセル併用療法の有効性や免疫チェックポイント阻害薬に関連した臨床試験の報告がなされるようになり,治療選択肢が大きく増えることとなった.さらに近年,化学療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法などの新たなエビデンスも創られつつある.本稿では,非高齢者かつperformance statusが良好な症例を主たる対象とした各種臨床研究について紹介する.また,既存のエビデンスに加えて,2018年に入り新たに報告された試験結果を紹介したい.
索引用語:肺扁平上皮癌, 細胞障害性抗癌剤, 免疫チェックポイント阻害薬

肺癌 58 (5):325─330,2018

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