タイトル
第58巻第5号目次 In Japanese

─ 編集後記 ─

編集後記

元井 紀子
国立がん研究センター中央病院 病理・臨床検査科

平成最後の夏が過ぎ,学会シーズン前の慌ただしい季節となりました.今年は,甚大な水害,台風,地震などの天災があり,被害にあわれた会員の皆様およびご家族の皆様,関係各位に心よりお見舞い申し上げます.去る2018年9月23-26日に第19回世界肺癌会議(19th World Conference on Lung Cancer(WCLC))がカナダ,トロントで開催されました.今回のWCLCは,「患者中心医療(Patients-first)」のテーマのもと患者および家族の参加もあり,肺癌の診療,研究が日進月歩であることを感じさせるものでした.日本からの良質な発表も多く見られ,TKI,ICIを中心とする内科的,放射線,外科的治療法の進歩および診断手法の開発には目を見張るものがありますが,一方治療耐性などの課題解決には今後ますます多領域連携が重要と感じられました.本誌では,時宜を得た総説2編,「肺扁平上皮癌の治療の現状と展望」および「肺がんの発症に関わる遺伝子多型」,また原著として「肺癌に対する葉切未満肺切除術における断端細胞診の臨床的意義」に関する論文をはじめ,貴重例の症例報告が掲載されています.読者の皆様には本誌を専門領域以外にも目を向けた情報収集に活用され,日常診療および研究の一助となることを願っております.末筆ではございますが,本誌にて執筆,投稿された先生方のご尽力に感謝するとともに,会員の皆様のご健康と益々のご活躍を祈念しております.

肺癌 58 (5):407─407,2018

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