タイトル
第58巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

非小細胞肺癌のOligometastases 10例についての後方視的検討

國崎 守1, 榊原 純1, 菊池 創1, 北井 秀典1, 水柿 秀紀1, 朝比奈 肇1, 菊地 英毅1, 品川 尚文1, 西村 正治1
1北海道大学病院内科I

目的.Oligometastasesは遠隔転移が少ないことを指すが,明確な定義は定まっていない.今回,当院における非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるOligometastases症例の臨床因子学的背景,治療,予後などについて解析した.対象と方法.2003年4月から2017年9月にIV期NSCLCと診断した525例中,Oligometastases 10例を後方視的に検討した.結果.年齢は38~72歳(中央値65歳),男性/女性:7/3例,遺伝子変異は,EGFR陽性/ALK陽性/陰性:1/1/8例,転移臓器は,脳/小腸/副腎/骨/肝/腋窩リンパ節:4/2/1/1/1/1例であった.局所治療は8例に施行され,原発と転移の手術/原発と転移の放射線治療/転移のみの手術と放射線治療/転移のみの放射線治療:4/1/1/2例であった.化学療法施行例は8例であった.10例全体の生存期間中央値は35.7ヵ月,遺伝子変異陰性例では24.1ヵ月,EGFR陽性,ALK陽性ではそれぞれ35ヵ月,55ヵ月であった.結論.当院の症例では原発または転移の局所治療が多く施行され,比較的予後は良好であった.
索引用語:非小細胞肺癌, Oligometastases, 局所治療, 予後

受付日:2018年5月17日
受理日:2018年10月2日

肺癌 58 (7):959─963,2018

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